認知症のはじまり

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認知症のこと

親の物忘れ

定期的に実家に帰るようになって毎回していたのが冷蔵庫チェックです。
始めの頃は賞味期限切れの調味料を見つけると母に断わって捨てていました。まわりの友人もそんなことよくある事だと言っていたし、自分にもあることなのでさほど気にはしていなかったのですが・・・
しばらくすると、なんとなくその数が増えているような感じがして・・・それでもたまたまなんだと気にしないようにしていました。。

実家近所には義理母さんの介護を経験した目上の親戚や知り合いがいます。よく聞いていたのは、義理母さんが買ったばかりの調味料なのにまた同じものを買ってきて困るという事。義理母さんをたしなめるなんてできないし、かと言ってまた同じものを買ってこられても・・・
そんな事を聞くと、うちの母は大丈夫かと少し不安にもなりましたが、きっと年のせいだろうと思い様子を見守ることにしました。
その頃から電話をする回数も増えたような気がします。

親の物忘れが気になってきても年のせいとか、年相応って思いたいという子供の気持ちは共通しているんだと思います。認めたくないし、実際まだまだ普通に誰のお世話にもならにで生活はできてるし、それほど心配することではないと思いたい気持ちもわかります。

もしかしてちょっと?と疑いを持ち始めた頃も普通に運転して買い物にも出かけていたし、町内会の行事や習い事なども一人で出来ていました。その頃の帰省は3泊ぐらいで、1ヶ月置きぐらい。親がやるにはちょっと大変そうなことしに帰る。例えば高いところの電球を取り換えるとか、重いものの買い置きをしておくとか、とにかく家の中でのこと、日常生活で危なっかしいと思うリスクから親を回避させることが大事だと思っていました。ただ、あまりにもあれもこれと手をまわすと、親からできることやの日課も奪ってしまうような気がしたので、どこまでしたらいいのか考えながらしていました。
介護では先輩のご近所さんは「まず転ばないように気をつけてあげないと。転んで入院なんてことになったら物忘れが進んで認知症になってしまうよ」って話は母の話をする度に言われたました。その人の義理母さんがそうだったので・・・
長年商売をされていてピンシャンしていた70代半ばの義理母さんは家の中で転んで背中を骨折して3ヶ月入院、リハビリをしている間に認知症になってしまったそうです。そして自宅に帰ることはなくその後は施設へ。

物忘れが始まるとちょっとした判断が鈍くなって、無理なこともやってしまうことがあるのでとても心配になります。今までしようとも思わなかったこともやってしまう。高いところの物を取ろうとして不安定な椅子に上がって落ちてしまう・・・こういうことは良くあることで聞いたこともあります。。
親の先を読んでやってあげられることはする。遠距離で見守ってあげるということ。まだ介護とまではいかないけれどまずは見守り。その見守りで親の日常が良くわかってきます。今の親のことが良くわかってくると見守りのコツがわかってくると思います。介護になる前の見守りは親との時間の中では貴重でいい時間だったと思っています。親を知ることで後々の介護がスムーズに始まったったんだと。
見守りは3年ぐらいだったでしょうか。できる範囲で親に寄り添うこと。まずはそこから。

転んでそして認知症

久しぶりに会った親の変化・・・物忘れや生活のことでなんだか違和感を感じるってことがあったら、それは最初のサインかもしれません。同じことを1日に何度も言ったり、出かけようとして行先がわからなくなったり。冷蔵庫を開ければ同じものがいくつも入っていたり、今までは取り置きしている野菜などはラップで包んであったのがそのまま入っていたり。部屋が汚れていたり・・・何かが今までと違っている。それが一度だけなら気にしないこともできますが、何度も起こるとスルーすることはできません。

母が2度目の骨折をした時、以前の入院とは違ってリハビリが必要になりました。リハビリの専門病院に転院することになったのです。この時は大腿骨骨折と同じ方の脛骨という脚のスネのところにプレートを入れる手術をしたので、歩行の訓練は必須とのことでした。その時は70代後半で病院からも今のところ認知症の心配もないと言われたし、歩行訓練が順調に進むことだけ考えていました。
そしてリハビリ病院からの退院も予定通りだったし、歩行も杖を使って安定してできるようになっていました。
すべて順調だと安堵していました。
ただ少し気になっていたのは、今までで一番長い入院生活をしていたということ。3ヶ月ほどでしょうか・・・自宅の生活とはまるで違う個室の病室という環境にいて、家事も一切やらず、趣味からも遠ざかっていたので、何か影響がなければいいのにと思っていました。

知人の親御さんは腰の骨折から2ヶ月入院したことでまるで別人のように変わってしまいました。骨折前はしっかりしていて認知症の心配もしたことがなかったというのに。たった2ヶ月の入院の間に認知症の症状がはっきり表れてきたのだと。そうなってしまうと退院後の生活は今まで通りというわけにはいかなくなることもあります。介護度の状態によっては、在宅介護が可能なのか考えることも必要になります。

高齢者の入院には認知症のリスクがあると思います。特に転んで骨折しての長期入院中に認知機能が低下して、認知症へ進むことは珍しいことではないそうです。
あの時母が転んでなければ、骨折してなければ・・・今でもよく思ってしまうのです。

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