親の「大丈夫」は半信半疑で

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親介護のきほん

子に心配させたくない親

離れて暮らす親が気にかかってきたのは親が70代は半ば頃からだったように思います。
久しぶりの帰省で親と会った時、年取ったなとか、実家をリフォームした方がいいかなとか、年追うごとに不安要素が増えていきました。

親は親で子に心配かけたくないと思うでしょうし、実際gogo家でも後からあーだったとかこーだったとか事後報告のような感じで怖い事実を知らされたこともあります。
実は先月転んで骨折はしなかったけど打撲で整形に通っていたとか、実は風邪をひいて1週間寝込んでいたとか・・・
親とは1週間に3回程電話で話していても、実際起きていることは電話の向こうの声だけではわからないということです。

以前あったことです。電話をしても母ばかりが電話にでるので、「お父さんは?」と聞くと「今トイレ」とか「今麻雀してる」とか言われて、何度電話してもあまりにもずーっと同じ返事だったので不信に思い、「何かあったでしょ?」と問いただしたことがありました。その時はとても驚いたのですが父親は脳梗塞で入院していました。
丁度私が主人と旅行から帰ってきたタイミングでした。出発する前日のことだったらしく、母からは心配かけまいと内緒にしていたと言われました。
旅行先から帰国して2度目の電話でも父が電話にでたことはありませんでした。なんとなくおかしいと思い、お土産を渡す口実ですぐ帰省し、実家に着いて初めて事の真相を知ったわけです。
子に余計な心配をかけたくないという気持ちは親の愛情なんだと思いますし、同時に頼りにならない一人娘なんだと落ち込みました。
一番申し訳くなく思ったのはまるまる10日間も娘に父が入院したことを言わないで、たった一人で抱え込んでいた母に対してです。一人で10日間も心細かったのではないでしょうか・・・その間娘は何も知らずに旅行に行っていたなんて、本当に今でも申し訳なく思います。

幸い父は意識もしっかりしていたそうで手術の必要もなく、多少の麻痺は残るものの投薬とリハビリで元の生活に戻れるということでした。
母は私が帰ってきたところで特にお願いすることもないし、リハビリが進んでもう少し回復したら教えようと考えていたようです。

年取ってきたなあと思っても親は親だし、もう充分大人なのに子は子なんですね・・・
このことがあってからは親の「大丈夫だ」というのは100%ではないと思うようになりました。

親の「大丈夫」は半信半疑で

離れて暮らす親とは電話がホットラインという場合が多いと思います。
電話で声を聞くだけで安心できますし、何かいつもと違っていたらピンとくるもの。親と離れて暮らし始めた大学生のころからずっとそう思ってきました。

親が40代、50代、60代のあたりは親に対して不安に思う気持ちはさほどなく、どちらかと言えば親が子を心配するような関係性だったと思います。それが徐々に親の年とともに逆転し始めるんだと思うんです。
70代後半から親の変化を感じ、だんだん介護という言葉がちらつき始めます。そんな中でも親はなるべく自分で何でも解決しようとしているような・・・孫のことを優先して自分たちのことは気にしなくてもいいとか・・・
親って子がいくつになっても子の幸せ、子の家庭の幸せを一番に考えてくれているのだと思います。だから、自分たちは「大丈夫 心配するな」これがいつも口癖。何か心配事があっても自分たちでできるから「大丈夫」だと。

本当に大丈夫な場合もあるでしょうけど、大丈夫じゃないのに大丈夫と言われ続けられるとどんどん状況が悪化していくことになります。例えばgogo家では母の物忘れ、父の脚の筋力の低下などなど・・・
たまの帰省で2、3日間では本当に大事なことを見逃してしまうかもしれません。
何か事が起きないと離れて暮らす親のことはそうそうわかるものではないと思います。
普通に帰省していたのが遠距離介護で帰省するようになるまでは、何かがきっかけにならないとわからないことなのかもしれません。本当に「大丈夫」なのかと少しは半信半疑になることも必要なことだと思います。
親の安心と安全を考えればまずは「大丈夫」を疑ってかかることも必要なのではないでしょうか。

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