コロナ禍で会えない親のコロナ禍
少しピークアウトのような感染者の数。今週に入って東京の感染者も減っているように感じる。このままピークアウトして、医療体制にも余裕ができればいいと思う。
このままワクチン接種が進んで8割ぐらいの人が接種済みになれば、感染者がどんどん減って、年末年始は気兼ねなく実家に帰省できるようになればいい。
ほとんどの家族が1年以上帰省できなかったと思う。子供や孫が帰って来るのをずっと待っている実家の親。いつもきままな一人暮らしとか、ヘルパーさんやデイサービスのサポートでなんとか暮らしているって親御さんもいるだろう。コロナ禍の親の生活は離れた家族からは想像できない。ビデオ通話や電話で話す親は思いっきり元気に振る舞う。その姿や声を聞けば「元気そうで良かった」とか「まだまだ家のおやは大丈夫」とかポジティブに思える人が多いのかもしれない。
お母様と同居する地元の友人はこの1年程でお母様の生活スタイルががらっと変わってしまって…と話す。合唱や体操、俳句などの習い事をしていた85歳のお母様。コロナ禍になってからはすべてお休み中だそうだ。感染者0が続いていたあたりは数週間ほど教室はあったそうだけど、それ以降は減ったり増えたりの連続で、感染予防などのこともあり、当分お休みになったそう。
お母様は家に籠りっきりの生活が続き、口数も少なくなり、一言話せば蚊の鳴くような声で…めっきり大人しい老人になってしまったと心配している。
けれど、東京に住む長男からの電話にははっきりした声で話すそうだ。いつものお母様とは随分違ってはきはきと、快活な感じで積極的に話すんだとか。
友人のお兄様は電話の度にほっとしている様子で、安堵して電話を切るそうだ。でも、実際のお母様は以前より弱々しく、声も小さく、お兄様が最後に会った一昨年の夏とは別人のようだという。
会っていないと本当のところはわからない。それは私も実感した。
想像していたよりも年老いていた親
gogo家の両親とは相変わらずの窓越し面会。地元にも独自の判断基準があるし、施設でも日々の感染者数などから基準を決めているようだ。
帰省してすぐ会った時の両親はというと、父は変わらないように感じた。母は足の骨折もあり、少し口数が少ないかなと思ったけど、全体的には10カ月ぶりだけどいつもの感じかなと…
1日置きほどで会いに行くっているけど、まだ居室でゆっくり会うことはできていない。施設でもデルタ株の感染力が強いことでいつも以上に神経を使っているように感じている。
帰省して2週間以上経つし、親にはもう数回会っていることになる。だんだん会うのに慣れてきたのか、一番最初に会った時と比べると二人とも反応が薄い印象だ。都度都度会いに行っても喜んでいるようでもないし、父はといえばガラズ越しはもう飽きたといって会ってくれない。母は会ってはくれるけど、友人のお母様のように声が小さい。本当に蚊の鳴くような声…
直接そばで会えないとなかなか実際の様子はわからないように感じる。
10カ月はやっぱり長かったんだと改めて考えている。
ビデオ通話と電話。これだけが両親とのコミュニケーション。それが10カ月だ…よく考えれば両親ともにアラ90。少し離れている時間が長いと、親のイメージはある時期で止まっていることがある。80才の時の親か…2年前の親か…
冷静に考えると最後に会ったのは10カ月前だ。もしかすると親も娘のことをそんな風に思っているのかも…若い娘のイメージでいたけど実際会ったらこんなおばさんなのか…本当に自分たちの娘なのかとがっかりしてないとも限らないかも。
時間は本当に大事だ。コロナ禍でどれだけ無駄な時間があったのかと思ってしまう。とにかく実家に居る時間を大事にしなければと思う。