在宅介護の呪縛・・・

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在宅介護

在宅介護の為の介護離職って・・・

知り合いが定年まで10年以上あるのに退職したそうだ。仕事が大好きで、先の出世とかやりたいことがはっきりしていたのになんで?って思った。
聞けば一人暮らしの70代の母親を介護する為の介護離職。

大手に努める彼は退職金もまあまあ貰うだろうし、独身だし、預貯金もそこそこありそうだ。たぶん、これが結婚して子供もまだ大学生で住宅ローンもあるような状況だったら早期の退職はしないというか、そもそもできなかっただろうと思う。
介護離職してもある程度余裕があるから選択できたのだろうとも思った。私と同じ一人っ子なので、たまに親がどうのこうのというような話は聞いていたし、少し気にはなっていた。

彼の母親は都内郊外の実家に住んでいる。公務員だったのでそれなりの年金もあるという。勤め先が都心の彼は実家からは通わずに就職してからはずっと一人暮らし。
母親は健康面でも問題がなくマイペースな方だそうで実家に帰るのは年に1度ほどだと聞いていた。
コロナ禍になってからはお正月も帰っていなかったとか・・・
急に母親が倒れて入院。退院しても一人暮らしは難しい状態。退院前には要介護2に認定されたそうだ。

で、彼は離職し、母親の介護生活に入ったらしい。
その後のことは連絡しづらくて聞いていないけど・・・

介護は親孝行と言うが・・・

親介護・・・親を介護する子供のことを親孝行だと人は言う。
「親孝行な息子を持って幸せだ」 「親孝行な娘で良かったね」結構ありがちな会話だ。

親は介護してくれる子が愛おしいだろうし、感謝もしているだろう。
どうなんだろう・・・?結婚もしないで仕事に打ち込んで、将来のビジョンもしっかり持っていて、まだまだやりたいことが沢山あっただろうし、生活が一変してしまうんだけど・・・
それは彼の母親にとって望ましいことだったのかと余計なことを考えてしまった。
ずっと親孝行してなかったとか、年に1回しか帰ってあげられなかったとか、彼にも考えがあるんだろうけど・・・
親の面倒をみるのは子供の役目だと思っている人も多いと思う。親介護にはそうした想いはあると思う。

親介護をするために自分自身のキャリアも捨ててしまう。自分の先の人生をも変えてしまう。
親よりも子供の方の方が先は長いのに、そのことには蓋をしてしまい親優先、介護優先の生活・・・
親は自分の為に子供の人生が犠牲になるのをどう思うんだろうか・・・たまにいる毒親などにとってはそれが当たり前だんだろうけど・・・

在宅介護の呪縛・・・

gogo家で両親を在宅介護をしていた時期があった。その頃は気持ちの浮き沈みが半端ではなかった。
親孝行していて自己満足の充実感と、なぜ自分だけこんなことをしているんだろうかという焦燥感が混ぜこぜになっていた。

特に私の場合は遠距離介護は難しくなってきたと感じて在宅介護になった。自宅ではない実家での生活。そして親介護。生活の環境もリズムもガラリと変わったことでかなりのストレスを感じていた。
実家の階段の上り下りでドカドカ音をたてたり、自分の家族と電話で口喧嘩になったり、親に大きな声を出したりと徐々にストレスは大きくなっていき・・・

「でも自分は一人っ子だから」「親にとっては自分しかいないから」
とにかく親と自分しかいない世界のような孤立感を感じるようになり、ついには体調を崩して自分が寝込むようになってしまったこともあった。
完全に親孝行の呪縛にかかってしまったような・・・

それは人に依るだろうし私が出来ていなかったのかもしれないけど・・・いま振り返れば親孝行の呪縛に雁字搦めされていたんだと思う。
あのまま続けていたら大袈裟かもしれないけど介護と言う名の迷宮の中・・・

親孝行の呪縛・・・在宅介護は親孝行。
何かを変えていかないと抜けなくなる場合は少なくないと思う。

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